関西支部(大阪)/国際交流/神戸大学

モンゴルからの留学生 シーレンのこと

中西 武(三井物産OB)

中西さんご夫妻宅に招待された
訪日のシーレンさん母娘

初めて彼女に会ったのは丁度3年前、灘の海が眼下に光る神戸大学留学生センターのロビーであった。彼女、名前はアマルバータル・シーレン、モンゴルからの留学生である。といっても、大草原のイメージからは程遠い才色兼備の都会っ子。米国西海岸にも留学し、来日後は専門に日本語の勉強もしているので、会話には不自由がなかった。大学ではフアイナンスを専攻し、この分野に立ち入るとなかなか鋭い意見を披歴する。

我々が海外に初めて出て行った時代には、外国人との付き合で政治と宗教の話はタブーと教えられたものであるが、彼女とは、戦前の日本軍とモンゴル人の関係や、ソ連の強い影響下で苦難な独立と民主化を成し遂げたモンゴルの歴史など、避けて通れぬ影の部分にまで踏み込んで熱く語り合った。

普段は彼女が我が家に遊びにきて、妻と3人で食事をしたり、お茶を飲みながら気楽に話し合うことが多く、くつろいでいる時など、日本角界の両横綱、朝青龍と白鵬につても興味あるモンゴル人の見方を話してくれる。正月、近くの神社に初詣に行ったとき、神殿に向かって掌を合わせた彼女の姿は印象的であった。また、昨年の夏には彼女の母上と妹さんが来日され、我が家で正に家族ぐるみの交流ができたのも貴重な経験であった。

彼女は今年、一橋大学の大学院に進学し、フアイナンスの勉学を更に極めることになっている。今は日本語も完璧で、若い女の子が使う最先端の言葉も飛び出し、こちらが戸惑うこともある。卒業後は、日本の企業に就職したい希望も持っている。その頃には、我が国の経済も立ち直り、世界の舞台で活躍する多くの日本企業が彼女のような優秀な国際派の人材を見逃す筈はないと信じている。巣立ちゆく我が娘に幸多かれと祈りつつ。



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