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フランス人留学生との交流(2016年5月記)

竹田 努(三井住友信託OB)

フランス、エクス=マルセイユ大学から駒澤大学仏教学科に留学したマレシャル・ヤニス君との1年間の交流を紹介します。

彼はフランスで“東洋の言語と文化”を専攻し、日本仏教、特に神仏習合に興味を持っていました。

初めに彼と話し合い、仏教学科のテキスト「日本仏教史」(末木文美士著)を予習・復習を兼ねて一緒に読むことにしました。計画では週1回90分の予定でしたが、初回からとても時間が足りず、毎回3時間の勉強会を1年間継続しました。

先ず私がテキストを段落毎に音読し、つぎに彼が黙読し内容を理解する。読み方の不明な熟語、特に仏教用語の読み方を丁寧に教え、彼が辞書を引きその言葉の意味を理解する。その上で段落全体の意味を確認し解説する、と言った作業を毎週続けました。1年間で仏教伝来から平安の浄土信仰、末法思想まで読み進め、加えて彼が興味を持つ神仏習合まで読むことが出来ました。またレポートのチェックを行ったり、ゼミの課題の維摩経や臨済録のフランス語から日本語への翻訳について意見を述べたりし、帰国する前最後のゼミでの発表を聴講させてもらいました。

勉強の合間に、彼はフランス各地方の風土・文化、各地の菓子とその由来、家族や彼女について語り、私は日本仏教の現況や、仏教の実践について語りました。

更に学外での交流として、@日本仏教の今を見るため、豪徳寺(招き猫)、巣鴨地蔵(おばあちゃんの原宿)、浅草寺四万六千日(ほおずき市)等の参拝 A今に伝わる仏教文化に触れるため、声明、能・狂言等の鑑賞 B日本人の宗教感覚、美意識、季節感に触れるため、大相撲の見学、神田明神・将門塚参拝、大宮盆栽村訪問、朝顔市見学、等々を行いました。盆栽村からの帰り道、彼の口からもれた「木漏れ日が美しい」という言葉に驚いたことを覚えています。

グループイベントの歌舞伎鑑賞「義経千本桜 渡海屋・大物浦の段」の1週間前に、能の「船弁慶」を鑑賞することになり、事前に能の台詞、ト書きの英文テキストを用意し、歌舞伎と能の視点の違い、演出の差を能く見るように指導したりもしました。

今、彼はパリ大学の大学院で広く仏教の基礎を学んでいます。何年か後、再会し仏教や禅について語り合うことが出来ればと思っています。

1年間の交流は濃密な時間でした。

左:筆者  中央:ヤニス君(白糸の滝にて)


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