中国支部(広島)文化・教育
広島ランニングパートナーズの思い出
竹田 裕彦(BIPROGY OB)
広島での12年間の単身赴任を終え、東京の自宅に戻ってから早7カ月が経ちました。ランニングは続けており、今朝も東京で新たに入部した「隅田川ランニングクラブ」の20キロタイムトライアルに参加し、しっかり汗を流してきました。
広島ランパ(注)の皆さん、お元気ですか? 竹田は「サブ3.5」を目指して、しぶとく走り続けていますよ。目を閉じると、笑顔でランニングを楽しむ皆さんの姿がすぐに思い浮かびます。
さて、広島での一番の思い出といえば、2024年3月20日(春分の日)に行われた「第4回福富ダムフェスタ」への参加です。ランパの会長であり、「鉄人ランナー」として知られる大杉勝則さんのご指名を受け、21キロのハーフマラソンで伴走を務めさせていただきました。
大杉さんについてはご存じの方も多いかと思いますが、彼は身体のハンディを感じさせない圧倒的なスピードを誇る「鉄人ランナー」です。昨年の「24時間テレビ 愛は地球を救う」でご一緒させていただいてから、さらに親交が深まりました。
その大杉さんの伴走者として挑んだ福富ダムフェスタでしたが、当日は天候が急変し、まさに春の嵐に見舞われました。小雨がやがて本降りとなり、さらにはみぞれ、そしてスタートの9時には吹雪に!
レース中止かと思いきや、山間部のダムを周回するこの大会は決行されました。全身を容赦なく濡らす氷水、坂道を流れ落ちてくる水がシューズに染み込み、次第に脚の感覚も失われる冷たさでした。ついには低体温症で救急車で運ばれるランナーも現れるほどの過酷な状況でした。
それでも、大杉さんは小さな輪っかで私と繋がりながら、ひたすらゴールを目指しました。ギブアップはない・・・大杉さんにはそうした強い意志が備わっているのです。ボランティアの皆さんの声援に支えられ、なんとか2時間21分で完走することができました。
広島での最後のランとなったこの福富ダムマラソンは、一生忘れられない思い出です。
大杉さん、諦めずに走り続けるその姿は、いつまでも私の憧れです。そして、約束した皇居ラン、必ず実現させましょうね!
(注)広島ランニングパートナーズ(略称:広島ランパ)
広島ランパは、代表の大杉勝則さんが立ち上げた、ブラインドランナーとその伴走者のランニングクラブです。大杉さん自身も盲ろう者でありながら精力的に活動されており、月に一度、広島港前の広島みなと公園でランニング練習会を開催しています。

大杉さん(左から2人目)と伴走者の竹田さん(右端)

伴走中の筆者(手前)
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