関西支部(大阪)文化・教育
『ボランティアという居場所』
川勝 房世(登録会員)
兵庫県立美術館には、年に4回発行される『ミュゼV』というミュージアム・ボランティアだよりがあります。『ミュゼ』はフランス語で美術館を意味し、VはもちろんVolunteer(ボランティア)ですが、Volonté(意志・意欲)、Voix(声)、Vent(風)の意味も込められているそうです。
現在、登録メンバーは188名で、活動内容は以下の通りです。
※班活動(資料班・解説班・こども班) ※学校(小中高)の団体鑑賞の補助 ※特別展のスライド解説 ※「兵庫県展」や「美術の中のかたち展」等の補助・会場見守り作業 ※美術情報センターの作業
私がいつも感じるのは、Volonté(意志・意欲)を文字通り実践している人たちが多いということです。例えば、特別展のスライド解説。
これは、展覧会の概要を15分にまとめた原稿とスライド(担当学芸員の方が作成)を使って、毎週日曜日にスライドレクチャーを行うものです。レクチャー担当者以外のメンバーも、サポートとして多数参加しています。
時には、レクチャールームに集まるお客様よりも多くのメンバーが参加することもあります。
皆さん非常に研究熱心で、より良いレクチャーをしたいという思いでつながっています。
年齢やこれまでの人生がさまざまであるものの、とても素晴らしいチームです。
この場所は、職場とも家庭とも異なる特別な場所であると改めて感じます。
職場で悩みを抱えていた方が、ここでスライド解説仲間と集うことによって、それを乗り越えたという例もあります。
私にとっても、いつの間にかかけがえのない居場所となっているように感じます。

「美術館の日」に読み聞かせを行う筆者
このような場所を提供してくださった三井ボランティアネットワークの皆様には、心から感謝申し上げます。これからも見守っていただけると嬉しいです。
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