■ 関西支部(大阪)/国際交流/神戸大学

オフキャンパスに広がる留学生教育を考える

神戸大学 国際教育総合センター
留学生教育部門長  教授 河合 成雄

三井V-Netの皆さま方には、神戸大学国際教育総合セン ター(2016年の3月までは留学生センター)は、もっぱら 国際交流関係の「一対一交流」でお世話になっており、 厚く御礼申し上げます。留学生は日本語がある程度うまい場合でもなかなか大学を離れては日本人と接する機会が 少なく、大変ありがたく存じます。

私自身もかつて海外へ留学した者ですが、大学での時間 は授業や研究に限られていて意外と現地の人と接する時間 が少ないと身を持って感じましたし、留学生は非常に狭い範囲の世界でしか生きていないとも言えるでしょう。それはネットの時代になっても変わらないものだと思います。私個人の体験からも学生を見ていても、留学は後々の人生の土台ができるときであり、私というものが確立される大事なときの一つなのだと思います。他方、留学というものが、ある程度以上の時間や費用を費やすとなれば、ハイリスクハイリターンなチャレンジであって、尻込みする日本人がいるのもうなずけます。とは言え、留学は決して賭けではなく、しかるべき過程を踏めるようにすれば得るものが大きいはずです。人生での大きなイベントに神戸を選んでくれた留学生に最大限何を支援できるかということは我々の留学生教育での重要なポイントです。

現在、私は20年来留学生を受け入れる側に立ちながら、留学生を通じて国際交流に関わってきていますが、 ありきたりのことながら、よりオープンな大学というスタンスで国際交流に臨みたいと改めて考えております。例えば、 留学生の就職一つをとっても、地域との密接な関わりは重要です。留学は、留学中だけに完結したものではなく、留学前か ら留学後までの視野にたって捉えられるようになってきています。その意味では海外での同窓会を中心としたネットワ ークづくりも当センターは重要視しています。海外で日本人と留学生の卒業生がともに拠点を形成しながら、大学で得たネットワークをさらに発展させていくというものです。日本人にとっては現地とのコンタクト、 元留学生にとっては日本での経験を生かす機会を持ち続けることになります。これらの事業は、ここ10年余りの新たな動きであり、留学生教育を広く捉えたときに当センターが果たすべき任務であると考えております。

さらにこれからはオンキャンパスでの教育だけでなく、オフキャンパスでの広い意味での教育を視野に入れながら活動していきたいと考えております。様々な国際交流プログラムはもちろんのこと、日本語教育一つをとっても、大学内だけでするだけでなく、地域での生活、将来日本で働くための準備などを想 定して学外でも、主に学生を対象にして実施していければという展望を持っております。

ここで一つ大事なことは、この10年間で海外同窓会を立ち上げたり維持したりする上で学んだことではありますが、留学生の視点から必要なものを提供する一方で、留学生や卒業生の自主性任せにしておいては、より有効な仕組みが作れないということであって、仕掛けづくりやその維持の努力が欠かせないということです。そのような意味でも、三井V-Netの皆様と一緒に仕事ができる、留学生教育ができるということは、当センターにとっては非常にありがたいことなのです。

ぜひとも三井V-Netの皆様方におかれましては、今後とも留学生とのやりとりを楽しんでいただきながら、ご協力を賜ることができれば幸いです。また留学生に対しては、「一対一交流」等の良さを伝えて行き、結果として卒業生が第二の故郷に神戸を位置づけてくれるようになるならば言うことはありません。


神戸大学で第16回 三井V-Net留学生交流会開催

関西支部事務局

2019年11月13日(水) 神戸大学生協食堂「LANSBOX」2階において、留学生、大学の先生、三井V-Netのボランティアが集まり、留学生交流会を開催しました。

この交流会は、2005年2月に始まり、当初は卒業して祖国へ帰る留学生に対する歓送の意味も含めて毎年2月に開催していましたが、2012年からは、秋入学の新入生の参加を呼び掛ける目的で秋の開催に変更し、今回が16回目になります。

今年は9ヶ国9名の留学生と、先生、ボランティア合わせて24名の参加があり、留学生・ボランティアは日頃の一対一交流ペアの枠を超えて、また新入学の留学生や、交流ボランティアに関心のある見学者が一同に会し、活発な情報交換が行われました。

開会にあたり主催者を代表して、三井V-Net東京本部の誉田卓也事務局長が挨拶し、続いて国際教育総合センターの朴鍾祐教授からご挨拶をいただきました。

その後留学生の自己紹介、食事をしながらの歓談と進み、後半はビンゴゲームをおこないました。「ビンゴ」になった留学生は、ボランティアから寄付されたプレゼントを手に大喜び。会場内は一気に笑顔で溢れました。

その後は留学生もすっかり打ち解け、「楽しい!! 本当に参加して良かった」「次のイベントにもぜひ参加したい」等の感想を残し、次の再開を約して帰っていきました。

この交流会が、神戸大学は元よりボランティアの協力により16回目と回を重ねたことで、どれほどの留学生が日本での暖かい思い出として記憶にとどめ、また自国に持ち帰ってもらえたか。このボランティア活動の積み重ねは、大きな意義を感じさせてくれるものとなっています。



第16回神戸大学留学生交流会

神戸大学 国際教育総合センター
教授 朴 鍾祐

神戸大学 国際教育総合センターの朴 鍾祐(パク ジョンウ)と申します。本日は留学生教育部門長の河合先生がご不在のため、代わりに挨拶させていただきます。

私は、みなさんと同じように、留学生として日本に来まして34年になります。私は留学することはどんなことなのかと考えることがあります。もちろん第一は勉学や研究のことですが、それと同じぐらい大事なことは、人との関係を作ることと思います。人間という漢字は、人の間(あいだ)と書きますが、人と人との関係を作ることが留学することの中でも大事なことです。

関係というのは、個人的な関係、深い関係、続ける関係、この3つが大事なこととV-Netの皆さまの活動は、1対1をベースに関係づくりをしているので、個人的関係、深い関係、継続的関係、この三つのことがあります。今日の交流会も16回を迎えることで、大変長い交流を続けて下さっていることは、本当にありがたく思います。

皆さんは、大学では勉強や研究を頑張っていますが、三井V-Netの関係の中では、まるでお父さんのような存在で、日本社会のさまざまなことを教えてくれます。留学生のみなさんは、大学と家との往復だけでなく、日本社会のいろいろな所を、三井V-Netの皆さんを通して知り、またたくさんの良い関係を作ってくださればと思っています。

本当に、今日はこのような場を設けて下さいましたこと、深くお礼申し上げます。今後とも長い交流が続きますようにお祈り申し上げます。



神戸大学留学生ホームカミングデイ

関西支部事務局

2018年10月27日の開催で第15回を迎える「神戸大学留学生ホームカミングデイ」に、三井V-Netのボランティア会員11名とスタッフ2名を加え総勢13名で会場のある神戸大学百年記念館六甲ホールへ向かいました。

ホールでは、在学生のよさこい踊りのパフォーマンスに始まり、第15回記念特別企画として、「神戸大学における留学交流・教育を考える 〜第一線で活躍する卒業留学生と恩師を迎えて〜」をテーマに3組、4名の卒業生と恩師がそれぞれ登壇し、在学中の思い出から現在の職場などの環境まで幅広い発表があり、最後は感謝の言葉で締めくくられていました。卒業生の言葉は、神戸大学の先生方の努力の蓄積が10年、20年と経つに従い、どれ程の成果として現れるのか、将来を垣間見る思いがしました。

その後も様々なテーマで繰り広げられる3時間に亘る充実した催しではありましたが、あっという間に終わった感がありました。参加したボランティアの方々のなかで初めて体験される方も多く、大変興味を持って楽しんでおられた様子でした。これも、毎年開催に尽力されています主催の神戸大学国際教育総合センター国際交流課の皆様のお蔭と深く感じました。

さて、ホールのスケジュールが終わり、最後は和やかにアムルナイ・ティーパーティとなります。私たち三井V-Netのメンバーは、パーティに参加している在学生へ11月に開催の留学生交流会への広報を兼ねて参加させていただいていました。その会場の一角に、先生方や国際交流課の皆様のご支援の元、ご用意いただいたテーブルやパネルを設置させていただき、ボランティアの方々は留学生在学生とおぼしき学生に声をかけ、留学生交流会への参加を呼びかけました。お陰様で16名の在学生から参加の申込みを受け、充実したものとなりました。このように大学と連携を深めることができ、今年の留学生交流会へ向けて弾みをつけ、賑やかな会となることを願うばかりです。


アジアの娘二人(三井V-Netの一対一交流に参加して)

伏見 章子(登録会員)

初めての交流は、2016年ベトナムからの留学生、経済学専攻のG・M・ハンさんです。

神戸大学の百年記念館でマッチングを受け、次の交流は神戸大学瀧川記念館で昼食を一緒にとることを約束しました。

私宅は大阪の池田市です。池田市は豪州タスマニア州ロンセストン市と姉妹都市交流があり、ちょうどロンセストン市からホームステイ中のF・フレッドと娘と共に神戸大学へ行き、G・M・ハンさんと4人で昼食を一緒にしました。お互いの国の話、日本で感じたこと等々話がはずみ、閉店時間を迎えてしまいました。

左端筆者、右端留学生ハンさん

三井V-Net企画プログラム「神戸市立博物館から旧居留地を歩こう」にもフレッドと娘も参加し、神戸市立博物館では大人気のエジプト展と、神戸旧居留地の歴史を秘めた街並を体感しました。神戸に疎い私は、ハンさん以上に学ぶことが多かったと思いました。

ハンさんの希望に、“自国でできない体験”の一言がありましたので、畳に布団の一泊体験もしていただきました。畳の寝心地は“良かった”と言って下さいました。

留学生ナインさんと友人

2018年神戸大学ボランティア活動発表会後の親睦会で、ミャンマー出身のM・ナインさんと話す機会があり、その後、留学生交流会で再会したことから一対一交流が始まりました。神戸新聞社見学をご一緒し、阪神淡路大震災時の報道を交えた展示の迫力で報道の在り方を学び、その後、みなと公園に行きました

ナインさんは友人と行ったので2度目と、私を案内。立場が逆と笑い合いました。“私の一番好きな場所”とか。庭の梅が満開の時は、親友と2人来宅。 和服体験。梅の前でスナップを撮りました。

“ミャンマーで会いましょう”の一言が嬉しい交流です。


神戸大学留学生一対一交流

森下 聖一(登録会員)

中央筆者、右側交流留学生

2017年12月4日に『留学生白鶴酒造本店二号蔵、資料館見学会』のイベントがあり、初めて参加させていただき、そこで現在交流しているJohn Paul Ivo Karaniさんと知り合う機会を得ました。留学生支援は初めての経験ですので、いささか緊張の連続です。

John Paul Ivo Karaniさんは、アフリカ タンザニア出身で神戸大学の経済学部で日本の博士号を取るために留学されています。タンザニアに奥さんと小さい子供が居て単身赴任状態です。

タンザニアってどこなの。あのマサイ族(ジャンプ力がすごくて視力がいい)がいる国です。

>>続く


神戸大学女子留学生 ラウラ カリナ アラウホ カリト さん
(エルサルバドル)と一対一での日本語学習

荒木 悦子(登録会員)

HAT神戸にあるWHO事務所に世界の国から派遣された職員やJICA関西支部へ研修に来ていた海外研修生に日本語を教えていた講師仲間の河原章二様−現在三井V-Net会員−のご紹介で2017年秋、三井V-Netに入会させて頂きました。

2017年12月、早速神戸大学留学生との一対一交流のお話があり、5日午後、冷たい風の吹く六甲山の神戸大学国際教育総合センターへ留学生ラウラさんとのマッチングにまいりました。

彼女は2017年10月に来日し今年3月まで神戸大学、4月からは兵庫県加東市にある兵庫教育大学で教育学の勉強に励んでいます。ラウラさんはエルサルバドルでは5年間英語の教師として働いていたことや11才の娘が国で帰りを待っていることなどを話しました。

来日の目的は新しいことを勉強し、人間として成長したい、実際に日本の人々と触れ合い、二つの国の文化、習慣、社会の慣習等の違いを知りたいと思い、まず大学でしっかり日本語を学び、日本人と意思の疎通を図ることが私の目標だと言いました。

4ヶ月間の英語ベースでの日本語力向上を目指しての学習が始まりました。初回の学習場所は神戸国際交流センターでラウラさんが大学で習った日本語の復習や宿題をしました。2時間余りはすぐに経過しました。スペイン語で彼女に話しかけて来る人がいて彼女もけっこう居心地がよさそうでした。

ラウラさんは、毎日午前中は神戸大学で日本語の勉強、火曜日午後を除き午後から晩までアルバイト。貴重な火曜日午後ですからお互いに有意義な学習時間にしましょうと話し合いました。

クリスマス、お正月とお互いに予定があり、1月の火曜日は2回学習。2月は上旬に私がインフルエンザB型に罹り、その後ラウラさんが全く同じように罹り、メールのやりとりでの学習でした。

彼女の日常は大学、アルバイト、日曜日は教会へ、そして旅行と便利な神戸市内に住んでいる間にフルに留学生生活をエンジョイしている様子でした。

3月末に加東市へ移る準備があり、4月初めにIt is different but I like it! There are a lot of Sakuras in here!! And you are more than welcome anytime you want! のメールをくれました。

4ヶ月弱の短い期間でしたが日本語と英語の会話でラウラさんと楽しく充実した時間を過ごせましたことに厚く御礼申し上げます。


留学生交流録

安田 憲世(三井物産OB)

三井V-Netでの海外留学生との「一対一交流」の始まりは、関西学院大学の中国・内蒙古からの留学生、包巴特尓(ホウバトル)さんでした。包さんは中国のビール会社で3年間の社会人経験があり、関学卒業後は日本での就職を希望していたので、日本での生活で注意することや、就職事情の厳しさや国情の違いなどを中心に、今後の就職活動の指針を助言しました。その後も、自宅が関西学院大学から近いので、同大学の留学生との交流を希望していましたが、大学側事情で同校との交流支援はなくなり、2人目からは神戸大学の留学生を紹介頂きました。神戸大学では、今までに計4名の留学生との交流を行いました。

交流に際しては、面会時以外でも何か質問があればEメールで訊いてもらい、普段の生活を共にする中で日本文化を理解してもらうためにも、女房同道でショッピングモールや小旅行、食事(特に関西のB級グルメ)等、こちらも楽しみながら気楽に交流することに努めました。 現在は、中国新疆出身の李博涵(リハクカン)さんと交流中ですが、彼女も上海の会社に就職が決まり来年3月に卒業後は中国で働く予定です。

Ancy Josephさんご一家と筆者(右端)

今まで交流した学生は、私が台北、北京駐在経験もあるため、中国からの留学生が多かったのですが、一番長く付き合ったのは、インドからの留学生Ancy Joseph さんでした。

彼女はインドで博士号を取得後、日本の国費留学生として2010年10月から2014 年3月まで神戸大学に在籍しEngineering,Bio/Technology-cyanobacteriaを研究していました。在学中にインドの男性と結婚し、3年前に長女が誕生しました。彼女一家とは家族付き合いが続いており、長女のAngelinaちゃんからは「おじいちゃん」と呼ばれています。しかし、残念ながら本年10月からアメリカで働くことになり、10月2日に日本を離れてしまいました。

彼女は、交流開始時には日本語が殆ど話せずに英語で意思疎通していましたが、今は簡単な日本語会話が出来るようになりました。しかし、彼女の一家で一番日本語(関西弁)が出来るのは娘のAngelinaでした。一家のアメリカでの生活がうまくいくように祈念しております。


日本語と英語で一対一の草の根交流

川勝博史(登録会員)

三井V-Netより台湾からの留学生古益安(ク・イアン)さんを紹介していただきました。現在、神戸大大学院経営学研究科の2年生で、趣味は卓球と神社のお守り収集です。お守りを買い集めるほど日本の文化や社会に興味を持っています。

古益安さんと筆者(右側)

交流活動の進め方としては、週1回くらいのペースで、新聞や台湾についての本(例えば『台湾』若林正丈 ちくま新書)などを題材にして様々なことを話し合ったり、授業や研究内容、また日常生活について質問しあったりしています。授業内容について、 サステナビリティ(企業の経営持続性)のことを説明してくれたこともありました。

感心するのは、疑問点があると、いつも携帯しているスマホやノートPCで即座に検索をして、画像や説明を提示してくれることです。

彼の希望は、日本のことばと文化を知ることなので、できるだけ日本語を使ってもらい複雑な内容の場合は、英語でも補うことによって、よりスムースにコミュニケーションを進めています。

古益安さんとお母様

活動の場所は、主に大学の国際交流センターのラーニング・コモンズ・ルームですが、外に出かけることもあります。私の家族も一緒にホテルのイベントに参加しケーキをたべたり、尺八の演奏会を鑑賞したりもしました。

春休みの間に台湾からお母さんが訪日された折、交流センターで紹介してくれました。

いつも笑みを絶やさない方で、それが古さんと似ているなと感じました。「一緒に新聞を読んでいます」とお話しすると、「日本語が上手くなりました」と喜んで下さいました。交流活動をしていて大変嬉しいと感じる瞬間です。古さんは日本と台湾の違いを実感することもあるようですが、 そんなことも話題にしながら交流を深めていきたいと思っています。


「台湾留学生と、学び学ばれ」

水谷 良明(東レOB)

三井V-Netについては、東レ勤務時代の上司の方のご賢弟にあたる三井銀行ご出身の中川氏が初代の事務局長をされていたこと、また東レの諸先輩がボランティアをされている体験談も伺っていたこともあり、かなり前から知っていました。そのようなことからいつか私もお役に立てればと思っていましたが、昨年会社勤務の第一線を退いたこともあり、今年の4月から国際交流の分野で活動を始めたところです。

>>続く


石頭の留学生交流

生田清博(登録会員)

自分では柔らか頭と思っていたのですが、いざ留学生と対面してみるとこんなに固かったとは、という私の話です。

留学生と日本の学生と筆者

留学生との交流の場としているファミリーレストランでのことです。いつものように上から目線で得々と日本社会の説明 を続けていますと、私の言葉が催眠リズム化したのでしょうか。徐々に目がトロ〜ンと。「これはいけない」と、さらに話のテンポを速めると、あくびが出ました。「あれれ〜?

ちょうど2年前、神戸大学から中国人留学生の紹介を受けました。三井V-Netの会員となって初の一対一交流です。ラグビーW杯代表のように「日の丸」を背負っているはずもないのですが、私のような海外経験の乏しいオジサンは、国際交流と聞くだけで何か力んでしまう。「お役に立ちたい」「教えてあげる」。どうもこの気負いがいけなかった。

ちょうど20年前、会社に中国からの学生を受け入れたことがありました。働きながら日本語学校へ通い、日本の大学を目指す。当時の中国人学生にとっては何もかもが新鮮だったのでしょう。何でも吸収してくれました。気分がいい。「もっと教えてあげよう」。この時が上から目線の始まりでした。

時代は猛スピードで進んでいるのに、私の石頭は20年前から時間が止まっていたのでした。しかも、それに気づかない。今や中国の留学生は、来日前から日本人と変わらぬ知識をたくさん持っています。逆に遠慮して出さない学生もいるぐらい。とんでもない勘違いをしていたものです。

何かが変だ、と混乱する中で、思い込みに気づいたのは反面教師のおかげです。2014年春、神戸大学の女子留学生4人を引率して大阪市内の新聞社を見学したときです。案内係は年配の男性社員。中国人留学生を迎え、“教えてあげよう”と最初から張り切っている表情です。調査資料室で小林綾子の写真を取り出し「これ誰かわかるかな」。得意満面に「大人になった『おしん』の姿です」。留学生は全員が「……?」。

想定外の反応に案内係は慌てました。「えっ、中国で『おしん』は有名じゃあなかったの」。「じゃあ、誰が有名ですか」。留学生は一斉に「嵐!」。

私と同じです。ピンぼけもいいところ。案内係も時間が止まっていました。遅かったけど、ともかく気がついてよかった。

20年分の時計の針を急いで進め、改めて留学生交流のスタートです。2015年秋には神戸大学の留学生交流事業で10月31日の留学生ホームカミングデイ、11月10日は留学生交流会にも参加しました。留学生の話をよく聞き、一緒に歩み、一緒に楽しむ。留学生の希望に満ちた喜びが、私の喜びになるように。私の頑固だった石頭も少しずつ新しい時代の一対一交流に切り替わって行くはずです。

神戸大学留学生ホームカミングデイ参加の
三井V-Net会員の皆様と筆者(前列右一人目)

神戸大学留学生との交流

鵜野 一成(サントリーOB)

トリスタン君

三井V-Netを通じて合計3人の神戸大学留学生を紹介いただきました。

2012年の2月にフランスからのトリスタン君、22歳と会いました。実に若者らしい素直な青年でした。フランス人だからきっと飲食に積極的だろうと信じ、会ったその日に三宮のガード下と十三の極安居酒屋に案内しましたが、予想通り相当大阪ディープな、例えばクジラの「コロ」なども実に美味しいと言い、お酒も強い青年でした。日本が好きで、数年前には近江(?)あたりで半年ほどアルバイトしたそうです。 春には家族を呼び寄せ、宮島とか案内したということでした。ワインを飲む集まりにも2回ほどジョインしてもらいましたが、昔の青年たちといろいろ話をしていました。きっと日本にはいい思い出を持って帰国されたんではないでしょうか。

>>続く


ボランティア活動の魅力

森 信二(三井物産OB)

三井V-Net関西支部を通じて、神戸大学留学生の援助と、神戸市立博物館に於ける「学習支援交流員」としてボランティア活動を続けております。

前者は既に10年を過ぎ、後者は4年目に入りました。現役時代に海外勤務で得た経験と趣味を生かし、束縛されずに楽しい日々を送っております。留学生とは既に6ヶ国の学生と交流を経験し、何れの留学生も来日前に自国である程度の日本語を履修したとはいえ、日々その上達には驚かされます。

>>続く