■ 関西支部(大阪)/国際交流/同志社大学

『旧三井家下鴨別邸 見学会と習字教室』と銘打って

関西支部事務局

「旧三井家下鴨別邸」は、明治、大正にわたって建築、移築し、昭和24年(1949)には国に譲渡され、平成23年(2011)に重要文化財として指定されました。庭園が配され、茶室もあり4層にもなる木造建築は、実に趣のある建物ですが、その2階から3階の居室は通常は非公開、特別公開時のみ見学が可能です。

今回はこの2階の1室をお借りして、同志社大学の留学生に向け、習字教室、そして抹茶体験と館内見学と、盛り沢山の企画をしました。

日 時2018年12月15日(土)13時30分から16時
場 所旧三井家下鴨別邸
留 学 生6名
習字指導毎日書道会「会員」 北岡瑞桐先生、大林義典先生
教室運営三井V−Net会員11名

会場は重要文化財のため、開催前日に旧三井家下鴨別邸へ足を運び、旧三井家下鴨別邸スタッフ、ボランティアの方々が、室内に万全の養生をして準備しました。

今回の習字教室に参加の留学生は、中国、台湾、韓国といずれも習字には経験があるように思えたのですが、意外やほとんど経験がないと聞いて、逆に驚かされました。

しかし、さすがにお箸の国の留学生なので、筆を持つことには抵抗はなかったようです。そこからは先生方の指導、ボランティアの方々からのアドバイスと、お手本をしっかりと見つつ、戸惑いながらも徐々に「日本の習字」の書き方に慣れてくると、その後はどんどん漢字を書いていき、先生に添削していただいた時に大きな赤丸をもらうようになると、手ごたえを感じていくようでした。

最終目的のカレンダーを書き上げ、それぞれの名前を左下に小筆で書くのに、四苦八苦。 しかし、それぞれ自分の仕上げたカレンダーに先生方やボランティアの方々から称賛の声を貰い、満足げな様子でした。

北岡先生、大林先生からは自筆の書をお土産にいただき、自分の作品と一緒に大切に持ち帰りました。

習字教室も終わり、簡単に作法を教わりながら抹茶の体験をした後、館内、庭園を見学し散会しましたが、最後に庭を散策して終わる頃には留学生から、またこんな企画があったら是非参加したいとの声を聞き、準備段階から当日まで、多くのスタッフ、ボランティアの方々の思いが伝わったと感じさせられました。



韓国留学生 パク・ユンドンさんとの交流

西櫻 光一(東レOB)

2018年5月からスタート、韓国留学生パク・ユンドンさんと現在まで不定期で3回交流した状況を紹介させていただきます。彼は同志社大学グローバル地域文化学部・アジア太平洋コース2回生、26歳男性です。将来は日本で就労し、できれば公務員を希望し、大学では書道部に所属、バンドボーカル、各地の自転車旅行などに興味を持つイケメンの男子です。日本の大人の人と普通に交流したいとの希望で、日本語もほぼ完ぺきであり、私もゆったりとした対応をさせてもらっています。

筆者ご夫妻と留学生パク・ユンドンさん

交流は、基本的には率直に楽しく会話をするよう、心がけております。琵琶湖ドライブ、近江八幡巡りなどには妻も一緒に参加してもらい、拙宅訪問なども通じて日本の社会習慣、庶民の生活などへ理解が深まるよう、自然体で接しました。

私が駐在経験のある東南アジア、中国と違い、韓国は土地勘も風土も理解しておらず、初めてなのでやや心配したものの、特に違和感なく会話できていると思います。無理をせず、個人のできる範囲のことをやらせてもらっており、本人も同意してくれています。こちらからも韓国内の突出したキャシュレス社会、就職難などの生活事情を勉強させてもらっています。

昨年秋以降は私の方に種々用件があり、会えておりませんが、最近の日韓関係の緊張状態については、本人も心を痛めていると思います。近々、また会って食事をしながら、個人間の友情、信頼、留学生への支援姿勢は変わらないことを何らかの形で示したいと考えております。

今後も彼が日本で学んでよかったと感じ、そして就職へと向かう留学生活を少しでもサポートできればと思っています。


韓国留学生 イ・ヨンヒさんとの交流

清水 彦功(三井住友海上OB)

今年2018年5月から三井V-Netの紹介で交流をスタート、現在まで月1、2回一対一交流しているイ・ヨンヒさんについて、紹介させて頂きます。2018年4月に入学した同志社大学・韓国女子留学生です。高校日本語科出身で日本語会話が可能で、グローバルコミュニケーション学部で学んでいます。特に日本の落語に興味を持っており、その他日本の伝統文化や日本人の価値観について学びたいとの希望でした。

彼女との交流は、本音で明るく楽しく会話をするように心がけており、彼女とはLINEメールも利用し、学生生活や日常生活で疑問があれば質問メールでやり取りもしております。9月の猛烈な台風の直後には彼女から「大丈夫でしたか」とのメールが届いたことは、嬉しい限りでした。

彼女との交流は、概ね次の3つのテーマで話し合っています。

第1テーマは、日頃疑問に思ったこと。

質問の一つに、日本語会話に出てくる擬声語・擬音語(わいわい・ぎゃーぎゃーとの違いなど)が全く理解できないとのことでしたので、辞典からよく使う擬声語擬音語を書き出し、どのように使うのかを説明しました。

第2テーマは、日本の社会習慣・社会で起きている出来事。

直近の「日経新聞」を見ながら、日本で起こっている社会の出来事など並びに記事の関連の話をペーパーに記載しながら説明します。

第3テーマは、日本の伝統文化について。

具体的に日本の風習などをテーマごとに説明し、結果、少しずつ理解を深めてもらっています。友禅染体験や習字教室にも参加希望しており、徐々に実体験を案内し習得してもらう予定です。

最近はお互いコミュニケーションも少しは深まり、同大学韓国留学生の女性友人3人を加え本人・私と5人で韓国料理を食し、和気藹々楽しい時間も持っています。

今後も彼女や友人の韓国留学生、そして他国の留学生が日本で学んでよかったと思えるような留学生活のサポートができればと思っています。


「同志社大学留学生一対一交流」に参加して

稲富信博(登録会員)

私は武田薬品工業で働いていましたが、退職後にやりがいのあるボランティア活動をネットで調べていて三井V-Netを知りました。留学生との交流活動に応募し、登録してもらいました。ベトナムに旅行した時に若者達の希望に満ちた熱気を感じ、東南アジアの学生との交流を希望して2017年6月から活動を始めました。

私が交流することになった留学生は、ハノイ市出身のグエン・ゴック・タオさんです。タオさんは同志社大学で2011年に開設された、英語で授業を受けながら学位を取得できる国際教育インスティテュートの3年生です。将来は大学院に進み、国際機関で働きたいそうです。日本での生活費は、アルバイトをして自分で賄っている逞しい女子学生です。

同志社大学今出川キャンパス内のカフェで、毎回1時間半ほどの交流時間です。初回は私のハノイ旅行の感想などお互い話し易かったのですが、タオさんは日本語より英語の方が話し易そうなので、日本に住んでいて分からないことなどについて主に英語で話していました。彼女はハノイで日本語を習ってきており、ある程度の日常会話は出来ますが、助詞や敬語が特に難しいようです。しかし、日本にいる間に日本語が上手くなりたいというので、テキストを使って中級程度の日本語を教えています。いずれは日本語検定を受けたいというので、ネットで見つけた日本の歴史や習慣などに関する記事も読んだりして、理解を深めてもらえるようにしています。

会社を辞めると特に若い人と話す機会が無くなりますが、一対一交流を始めてから定期的に若い学生と会って話をする機会が出来て楽しいです。もうしばらく彼女との交流は続きますが、彼女の日本語が上達し、日本に関する理解をより深めてもらえるようにしていきたいと思っています。




「同志社大学留学生一対一交流」について

田山 博憲(三井不動産OB)

京都の旧三井家下鴨別邸の一般公開が昨年2016年10月1日からスタートしました。

当初は三井V-Netのボランティアとして登録していましたが、過去の経緯からスタッフとして従事することになり、現在も続いています。

留学生李さんと筆者(右側)

その一方で、三井V-Net からの紹介で「同志社大学留学生交流ボランティア」への登録をおこない、6月から活動を始めました。

自宅から歩いて20分程度の距離で、義祖母、姪っ子が同志社出身であることから昔から馴染みがありました。サラリーマン生活40余年の経験、京都における歴史、文化などの知識をどのように生かせるか楽しみがある反面、留学生に対しどのように応対し、いかに交流を図るか不安もありました。

留学生は中国ハルビン出身の李月(リユエ)さんで同志社大学マスター課程に在籍し、中国の大学時代に日本語を学んできたので普通の日常会話は不自由ありません。時々中国語を教えてもらうのですが、初め戸惑ったのは「田山」はtayamaと発音するのではなくtian syan と発音するように日本語とは漢字の発音が全く違うことでした。

会う場所は月2〜3回同志社大学内の喫茶店です。昔私が通っていた大学とは大きく異なりゆったりとして、きれいな建物ですので気分よく時間を過ごすことができます。

日本文化とりわけ京都の歴史・文化について話をして、夏に入り祇園祭、大文字の送り火、観光名所などを説明し京都に対する知識と理解をより深め、京都が好きになってもらうように心がけました。

彼女は就職の希望があるので、日本企業の概要、ビジネスマナー、就業規則などについて説明するために事前に資料を集めるのに本屋に行ったり、インターネットで検索したりしていろいろ勉強させられました。また中国関連企業の調査のためJETROに一緒に行き、企業調査のお手伝いもおこないました。

午前中に終わった時は、大学の学食で若い学生たちと一緒に安い料金の食事をするのも楽しみの一つです。

彼女がより日本を理解し、ますます日本が好きになり無事日本の良い会社に入社できることを期待し、もう少しの期間ですが役に立てればと思っております。


「中国」を教える?

神谷 周孝(登録会員)

「反日・抗日」教科書で今も教育されている中韓の若者に、 どう正しい「日本観」を理解してもらえるのかーーそれが 留学生の交流に参加した私の願いだった。戦争体験者どころか、戦後の「焼け跡」世代も徐々に消えて行く時代の流れ。 米軍の脱脂粉乳で飢えを癒し、平和の尊さを身をもって学んだ我々日本人の愚直な生き様(ざま)を一人でも知ってもら えたら・・との思いからだった。

路さん家族と筆者(右端)

中国の古都、洛陽近くで育った同志社大3回生の路君は日本語ぺらぺら、優秀で、将来性のある青年だ。ただ、学校で 書道を習ったこともなく、論語の孔子や孟子についても歴史 でしか学んでいない、と聞いて驚いた。多くの仏教寺院が破壊され「5千年の文化はどこへ行った?」と疑問を覚えた。 早速、路君への文化指導から始めた。京都・大覚寺での写経で般若心経を筆書きさせ、比叡山延暦寺で「千年の法灯」を見学させた。

筆者奥様と路さん

「2千年も前から日本は遣唐使などで中国の文化を必死に吸収し、それを守って来たんだよ」「論語や五経、大学などが江戸時代も寺子屋で子供たちに教えられた」。
 路君は感激した。日本のお年寄りから中国の文化、思想を学ぶとは思ってもいなかったようだ。正月には自宅で日本のおせち料理を一緒に味わった。 以前、飲食店の社長から「中国のバイトはミスしても絶対謝らず弁明ばかりする」と聞いていたのでぶつけると、 路君は「自分が不利になると仕事もクビになるから」と答えた。

両親が若い世代に起きた文化大革命で、知識人が紅衛兵に修正主義者と連行され、罪を認めた者は粛清されたという恐怖感が身についているようだ。また、13億社会で頭角を現すには能力も目立たなくてはならない。友人関係やゼミでも目立ちすぎて四面楚歌になることもある、と嘆いていた。目立たず、周りを絶えず気にする日本風土にも文化ショックを 受けて悩んだ時期もあった。「どうしたら日本の友達が出来るの?」と真剣な表情で聞かれた時は、古いけど与謝野鉄幹の「人を恋うる歌」を教えた。「友を選ばば書を読みて六分の侠気、四分の熱」と。勉学に熱心で自分のために侠気を出してくれるのが本当の友だ。路君は「侠気」をノートパソコンで調べて、うなずいた。

ご両親が京都に遊びに来られた時も一緒に食事をしたが、まだ40代の若さで、路君は私の孫ほどの年齢だ。「一人っ子政策」で一粒種を日本に送って仕送りを続けるご両親の期待と不安が、中国語の通訳(路君)付きながら痛いほどわかった。

今後、路君は就職の準備活動に入る。政治問題も尖閣、南沙諸島も十分、お互いに議論しなければならない。北朝鮮の核問題、韓国の慰安婦、中国の抗日宣伝などから日本政府の右傾化も心配され、事態はますます複雑に流動しつつある。 国際社会に通用する有能な人材としてどう育ってくれるのか? 定年後の老人に出来ることは限られている。今後の挫折を慰めるだけかも知れない。一緒に世の不条理に涙を流すだけかもわからない。でも日本のこうした留学生交流が心の支えになった、「じいちゃん」は好き、日本も好き、と中国の「孫」に思われたら本望ではないか。


“中国人留学生の支援”

黒澤 信之(三井物産OB)

いつも微笑みを浮かべ優し気な表情の留学生!新緑がさわやかな五月晴れの京都今出川キャンパスで初めてお目にかかった時の印象だ。 >>続く