■ 関西支部(大阪)/医療・福祉/京都府立医科大学附属病院

 


京都府立医科大学附属病院は京都府立医科大学創立140周年記念事業として、新たに患者図書室「ほほえみ」を2012年11月12日にオープン致しました。

病院の患者さんやご家族に対し、サービス・支援を提供するための施設として、患者さんの安らぎや娯楽に資する図書に加え、患者さん自身が病気を知り、病気と向き合うことを支援する医療関係図書も充実させ約1,500冊の図書を整備しました。

ゆっくりと入院患者さんが読書できるよう、また、手術待ちのご家族が控え室で利用できるよう患者図書室内だけの利用でなく、図書の貸出も行っています。

図書室はボランティアによる運営を基本とし、書物や入室者の管理をしています。  より一層、患者さんやご家族の視点にたった運営を目指して、患者図書室「ほほえみ」はオープンな施設を目指しています。

  



京都府立医科大学附属病院患者図書室「ほほえみ」の試み

ほほえみボランティア事務局 西崎 薫

2012年11月21日、京都府立医科大学附属病院患者図書室「ほほえみ」がオープンしました。私は、オープン当初からボランティアとして参加していますので、その視点からみた患者図書室「ほほえみ」の活動について述べさせていただきます。

運営のかたち

患者図書室プロジェクトチームは、附属病院事務部(担当は病院管理課)と附属図書館の司書で 構成され、開設までの準備に当たりました。プロジェクトチームの皆さんの並々ならぬ意欲と努力の結果、図書室は、機能性にすぐれ、デザイン性も高い調度品で統一され、落ち着いた雰囲気の部屋になりました。附属図書館で選定された蔵書は、医学書と一般書・児童書で構成され、それらは、全て新しく購入された図書で揃えられました。情報検索のためのパソコン2台・病気についてのパンフレット類も加えて、全てが真新しい患者図書室「ほほえみ」が誕生しました。開設後は、プロジェクトチームに加えて、新しく募集されたボランティアメンバーが運営に関わっています。日常のカウンター当番は、ボランティアが当たり、病院管理課がコーディネーター的な役割を担い、附属図書館が図書に関するさまざまな専門的なサポートを行っています。日々の運営内容については、月に一回開かれる事務局会議(病院管理課・附属図書館司書・ ボランティア事務局で構成)とほほえみボランティア全体ミーティングの場で、話し合いながら進めています。

いつでも開いている図書室

「ほほえみ」は、24時間、年中無休で開室されています。

スタッフが常駐していない時間帯もありますので、安全管理のため、警備室に直結した2台の防犯カ メラと非常通報装置が設置されています。夜に手術を待つ患者家族や、夜遅くまで寝られない患者さん、朝早く目覚めてしまった患者さん、そして、土日にお見舞いに来た患者家族のためにも、「いつでも開いている図書室」は大きな意味があると思います。「24時間、年中無休の開室」について、病院内でもさまざまな意見があったと聞いています。特に安全面でのリスクを考えると不安の声が出たというのは当然のことなのかもしれません。けれど、利用者である患者のニーズにどう答えるかという課題を前にして、 リスクを考えて、そこで止まるか、それとも、問題点を解決するための努力をして、リスクを乗り越えるか、いずれにしても、患者さん達の思いに添って考えることが大切だと思います。

医学書について

一般向けの医療・健康情報については、書店の棚に並ぶ書籍やインターネット上に氾濫し、いざ、患者が自分にとって必要な情報が欲しいとき、患者自身にそれを見極めるだけの能力が必要となります。 けれど、医療の専門家でもない患者にとって、それは思いのほか難しいことと言えます。 そのため、ある程度取捨選択された情報のなかから、信頼のおける情報を得ることができる環境を、医療の現場である病院のなかに整備されるということは必要なことではないでしょうか。 「ほほえみ」の蔵書には、附属図 書館で選書された医学書が約半数あり、分かりやすく、かつ専門的な内容の図書を利用する患者さんが多く見られます。

患者図書室に求められるもの

近年、医療現場でおこる医療者と患者とのトラブルが問題となっています。こうした問題は医療現場でさまざまな弊害となって、より良い医療を目指す人、求める人達の妨げになっているように思えます。医療者サイド、患者サイド、双方が相手側に責任の所在を求めるだけでは問題解決の道は遠くなるでしょう。患者も自分の病気については、主体的な姿勢でのぞみ、自身が受けたいと考える医療に近づくために自己学習をするなどの努力をすることが必要だと思いますし、医療の側も、患者が自身の病気や治療法について、理解を深めるために自己学習できる環境を整えるなど、専門的な立場からのさまざまなサポートが求められているのではないでしょうか。それがひいては、互いが理解しあう早道につながるのではないかと思います。  「信頼のおける医療情報を得ることができる患者図書室」もそのなかに位置づけられると考えます。


“ささやかでも”

澤田 道代 (登録会員)

長年の会社勤めの後、3カ月の入院生活をへて健康を回復し京都府立医科大学附属病院の患者図書室“ほほえみ”が2012年11月よりスタートするのを三井V-Netを通じて知り、ささやかなお手伝いをすることになりました。

仕事をしている時は少々の事では倒れないと健康には自信を持っていました。 今からおもえば自己過信もいいところでした。

若い頃英国で生活していた時、周りの親しい英国人達が色々なボランティア活動をしているのに接してきました。自分の専門を生かしての退職後のボランティア活動、また社会の弱者のために週末にボランテイア活動をしていた人もいました。英国はおそらくボランティア活動の盛んな国の一つと思います。彼等の活動を日常的にみて、私も退職後はささやかでも何かをしたいと思っていました。

府立医科大学付属病院の患者図書室“ほほえみ”は、24時間オープンしているというあまり他ではないと思われる試みです。新しく購入した本で運営しているという事も“ほほえみ”の特長と思います。患者さんのご希望する本と、私達ボランティアが選ばせて頂いた本を年に数回病院に購入していただいています。

私達ボランティアの仕事は、患者さんとそのご家族への本の貸し出しや返却手続き、書架の整理そしてボランテイア在室中はコンピュターを出して患者さんに使ってもらうという簡単なお手伝いです。患者さんやそのご家族が罹患された病気の本を探すお手伝いをして、ご希望の本をご一緒にさがしたりすることもあります。私自身の長い病院生活を通じて、病室以外で“ほほえみ”と名付けた図書室という居場所がある事は心休まると思います。

患者さんもここがあってよかったとノートにコメントしてくださる方もおられ、嬉しく感じます。週一度くらいの活動ですが、出来る限り長く続けたいと思います。


京都府立医大病院・患者図書室ボランティアに参加して

米原 俊介(東レOB)

三井V-Netのご紹介で、2012年11月に新たにオープンした京都府立医大病院・患者 図書室"ほほえみ"でボランティア活動をはじめました。近年患者図書室を設置する病院が増えていると聞きますが、 "ほほえみ"は「24時間・年中無休」のとてもオープンな施設です。>>続く