本部(東京)国際交流
「初夏(まだ晩春?)の城ケ島散策」報告(2023年5月28日実施)
横浜国大部会/行事幹事 藤田 芳規
佐々木隆雄
これまでは「冨士見ハイク」として春、秋の年2回実施していたイベントを再開したものですが、この時期は鮮明な富士山を眺められる日が少ないことと「ハイキング」では少し仰々しいと考え単純に「城ヶ島散策」としました(留学生への英文の案内書は「自然を歩く」というニュアンスにしようと考え“Walking through Nature on Jogashima”にしています)。
当日の参加者は留学生9名と部会員4名の13名(今回は短期間の留学生参加募集ということもありこの4月に入学し部会員との交流を始めた留学生の参加がなかったので参加者は予測を下回りました)、台風の日本への接近と梅雨のはしりとなる停滞前線の関東地方への接近が報ぜられていましたが、幸いにも薄曇り・薄日がけっこう長時間差すという良い方の天候となり楽しい散策ができた一日となりました。ルポルタージュ風に一日を振り返ってみましょう。
京急横浜駅を8分遅れて出発するも三崎口でバスに乗り換えて城ヶ島大橋には予定通り9:45には到着、散策のスタートです。城ヶ島に架かるこの大橋を歩いて渡ると右手前方はるかに頂にまだ雪を残した富士山が霞みがちですが眺められました。上述したように薄日も差し、かすみながらも青空も見えるという状況で、実際城ヶ島に入ってからも富士山のある方向を向くとちゃんと眺められ「今日は雨が降ることはない」という安心感を与えてくれました。
階段を使って海岸へと橋を降り、参加者の顔ぶれから白秋記念館や白秋詩碑には多分関心はないだろうと勝手に判断し、すぐ城ケ島公園へ移動しました。広々とした海の眺めが広がっていますが、留学生の関心は目の前に広がる紫陽花(あじさい)の花へと向かいます。水無月の花と言えば何といっても紫陽花それと花菖蒲(はなしょうぶ)が浮かびますがここは紫陽花、白、ピンク色のものも見えますが青色がかった青紫の花が目立ちます。しかも群生したように植えられている他の場所(例えば鎌倉)とは違い多分意図をもって一定の間隔をとって植えられており端正な佇まいです。紫陽花の傍らに立ってポーズまたは花の間から顔をだすポーズで写真を撮ってもらう、花を写真におさめる等で忙しい休憩、また朝の集合時間が早かったので朝食を取らなかった留学生にはおやつタイムにもなりました。
休憩後は公園の中を歩いて安房埼灯台へ移動しました。小さいというかかわいらしい灯台です。近くの多分島では一番高い場所になる展望場へ階段を使い上りました。360度の眺望、東には房総半島、南には伊豆大島、西へかけては伊豆半島から箱根の山々です。風は強いものの上から見る波は穏やかに見えました。
公園に戻り昼食。ベンチは海からの強風に耐えられるように60度位反対側に傾いて屋根のような役目をしている樹々の下に備え付けられていて、食物を狙って降りてくるとんびは見かけませんでした。
午前中は東西に長い島の東端側をゆったり散策していましたが、昼食後は一転して西端の長津呂の磯へ移動でちょっとしたハイキングともいえるコースを歩きました。まずはウミウ展望台へ歩きます。展望台から見える海岸左側の垂直な崖の幅は200mを優に超え高さも30m位もありウミウはもう見えませんでしたが人を寄せ付けない自然が作った力作です。留学生の多くがこの崖を背景に写真を撮ってもらっていたのも納得しました。更に5~6分歩き、標識に従い馬の背洞門へ舗装もなくなり段差もある道を下ります。馬の背洞門は確かに奇妙な自然の造形物です。この洞門を背景に写真を撮りたい人達が列をなして並ぶのも理解できます。私達も同様に集合写真を撮りました。
さらに180度の海の景色が広がるこの場所を相模湾、太平洋を眺めながら磯伝いの歩きにくい道を島の西端である長津呂の磯・長津呂崎へ向けて20分程歩きました。私達部会員には、いや私だけでしょう、やっと商店街が見えるところまで来たという思いがしたところで右折、「城ケ島」バス停へ向かいました。
13:28、予定より30分程早くバス停から帰途につきました。
以上(佐々木記)
この散策に参加した留学生ジョン ソジョンさんより感想文が寄せられました。下記に掲載します。お読み願います。
「城ヶ島散策」に参加して
5月28日(日)三井V-Net横浜国大部会主催のイベント「城ヶ島散策」に参加しました。 昨年の10月に横浜国大のJOYプログラムに留学してから、神奈川県の南部は鎌倉と江ノ島以外には行ったことがありませんでしたので、とても楽しみにしていた行事でした。
でも行事予定日近くまでは、エアコンが必要なほど暑かったり寒かったり曇天だったり雨だったりの不安定な天候でしたので、当日にも雨が降って行事が中止になるのではないかと少し心配しましたが、幸いにも当日は晴れて散歩するのに本当に良い天気になりました!三井V-Netの方々や留学生たちの願いを天が実現してくれたのだと思いました。
城ヶ島の風景全てがとてもきれいでした。その中でも一番印象に残ったところを選ぶとしたら、太平洋と富士山が同時に見える城ヶ島公園第二展望台じゃないかと思います。左側は太平洋、右側には写真に写るほど鮮明ではありませんでしたが、富士山も見えて本当に素晴らしかったです。
この海の果てには何もないと思うと(実際は伊豆大島、ずっと行けばハワイが出てくるかもしれないと、どなたかが言ってくれましたが)何か不思議な感じがしました。私は韓国の釜山出身ですが、地元の海では天気が良ければ「対馬島」が肉眼で見えるからです。
さらに馬の背洞門から磯歩きのルートは私にしては結構異国的な風景で、韓国では今まで見られなかった海沿いの地形を見て、大自然と地球の時間の流れを感じることができて本当に良かったです。 もちろん一番良かったのは、いろいろな方々と出会って話したことです!忘れられない思い出を作れたと思うので本当にうれしいです。思い出の場を作ってくださった三井V-Netの方々のご支援に心から感謝いたします。
(2023年6月2日) 全昭貞(ジョン ソジョン)
城ヶ島公園にて 後方左端がジョン ソジョンさん
馬の背洞門にて
何とか見えた富士山に感激
一覧に戻る